技術開発の心得講座
今日は「どの技術を研究すればいいのか分からない」という疑問に科学王世宗がお答えしよう。
助手の市民Aです。よろしくお願いします。
前置きになるが、このゲームで「絶対にこの開発順にすべきだ」というものはない。マップタイプ、自文明、周辺状況、その他諸々によってそんなものはいくらでも変わる。この話は大よその指針として聞いて欲しい。
ではどのような指針で技術を進めていけば良いのでしょうか。
まず最序盤の話をしよう。太古の技術はほぼ必須で、右列の技術もスタイルに関わらず有用なものが多い。
トラップ・石工術・青銅器辺りは後回しにすることもあるが、分かり易く太古の技術は全部取ったことにしよう。問題はここから先だ。
このまま時代毎の技術を順に研究していくのではまずいんでしょうか?
大まかな技術開発の方針として「内政特化」「軍事特化」「混合型」がある。縦に技術をバランス良く開発していく「バランス型」は一見バランスが良いように見えるが、ただの器用貧乏なのだ。
バランス型と混合型って似たような響きですが、何が違うんでしょうか。
分かりやすくするため「内政特化型」と「軍事特化型」を例に見てみよう。
「内政特化型」はとにかく科学力を上げるようにツリーを進める型だ。乱暴に言えば『哲学(国立大学)→教育(大学)→科学理論(公立学校)→プラスチック(研究所)』の順でツリーを進める。
「軍事特化型」はとにかく侵攻力に優れるユニットを開発するようにツリーを進める型だ。乱暴に言えば『機械(弩兵)→ダイナマイト(大砲)→飛行機(第一次大戦爆撃機)』の順でツリーを進める。
中世辺りでは両者は下のようになる。
内政大好きネブカドネザルだ。研究力の上がる大学を建造できる「教育」を最優先で開発した。次は公立学校建造のための「科学理論」を目指すぞ。
戦争大好きモンテスマだ。中世の強力な遠隔ユニットである弩兵を生産できる「機械」を最優先で開発した。次は大砲開発のための「ダイナマイト」を目指すぞ
まずネブカドネザルは大学がある分科学力が上だ。もし平和なまま時間が経てば科学力の差でネブカドネザルが優勢になっていく。
しかし現時点の軍事力は弩兵を擁するモンテスマが上だ。ネブカドネザルのユニットは質・量ともに劣る。今戦争になればモンテスマが有利だろうな。
短期決戦ならモンテスマに分がある。しかしネブカドネザルに上手く捌かれるとジリ貧となっていく訳ですね。
もう少し言えば、モンテスマは戦争する気満々だがバビロニアへ侵攻するとは限らない。バビロニアが伸び伸びと内政した場合、アステカは緒戦に勝ったとしてもバビロニアへの侵攻は難しくなるな。
どうなるにしても、早くも両者の明暗が分かれる訳だな。さて、ここで問題になるのが先ほどの「バランス型」だ。ネブカドネザルやモンテスマと対峙した時にどうなるかな?
ネブカドネザルに侵攻するだけの軍事力がありませんが、内政勝負では勝てません。
モンテスマが攻めてきた場合、ネブカドネザルよりは戦えるかな。しかし上手く講和に持ち込んでも科学力に差はないため、モンテスマを突き放すことができません。
そんな訳で単純にバランス良く技術開発をする事はあまりお勧めできない。しかし仕掛けて来そうな文明や、自分以上の内政力を持つ文明を放置するのは得策ではない。そこで使うのが「混合型」だ。
古典の強力な内政技術「教育」と軍事技術「機械」の両方を早い段階で取りに行く。特化型が更に先の技術を狙うのに対し、混合型は別方向に寄せる形になる訳だ。
教育と機械はどちらを先に取るのでしょうか。
混合型は更に「軍事重視」と「内政重視」に分かれる。「軍事重視混合型」は戦争前提のスタイルだ。機械を先に開発してラッシュをかけている間に教育を目指す。そしてある程度領地を切り取ったら内政型に切り替える訳だな。
「内政重視混合型」は教育を先に開発し、大学を作る所までは内政特化型と同じだ。そして防衛力戦力のために「機械」を取る訳だ。
ちなみに常に内政と軍事を行ったり来たりする訳ではない。情勢を見つつ、内政と軍事を切り替えるのが混合型だ。
また同じ混合型でも軍事重視と内政重視で取る技術が微妙に変わる。中世では侵攻も防衛も弩兵が強いのでどちらも「機械」が一つの目標になる。だが産業時代では軍事重視は侵攻戦力として大砲の「ダイナマイト」、内政重視は防衛戦力としてガトリング砲の「工業化」と目標が変わる訳だ。
なるほど。要は無秩序にではなく、目的付けをして開発しろということですね。
そんな所だな。まとめるぞ。
内政特化型
内政偏重。科学力を早く高めるようにツリーを進めましょう。軍事ユニットの生産は殆どせず、戦争は外交で回避します。
戦争がないと無類の強さを発揮するものの、いざ宣戦されると脆さが出るかもしれません。他文明の助けを借りて凌ぎましょう。
例:教育→科学理論→プラスチック
軍事特化型
軍事偏重。強力な軍事ユニットを作るようツリーを進めましょう。内政を省みずに戦火を広げ、相手にも内政をさせないスタイルです。ただし内政力に難があるため、平和な国がいると科学で置いてけぼりを食らいます。他の好戦的な国と足並みを揃え、どこにも内政注力させないことが肝要です。
例:機械→(航海術→)ダイナマイト→飛行機
内政重視混合型
本質的には内政型ですが、防衛戦力保持のために一定の軍事力を保有するスタイルです。内政特化したいけど戦争が外交でかわせない場合こうなります。内政特化型崩れのスタイルとも言え、中途半端な形かもしれません。
例:教育→機械→科学理論→工業化
軍事重視混合型
軍事行動で領土を広げつつ内政も行うするスタイルです。内政特化型には科学で劣りますが侵攻力は高いので、先を行く文明を殴って脱落させることができるのが大きな強みです。
例:機械→教育→科学理論→飛行機
お勧めはあるのでしょうか
内政特化型か軍事重視混合型だな。特に「非戦伝統」と呼ばれる内政特化型戦法はゲームシステムとマッチングして強い。
BNWではゲームシステム的に軍事行動が辛くなったので、軍事特化型は戦争自体にメリットがある文明以外でする意味が薄い。逆に言うとアッシュールやモンテスマならやる価値があるとも言えるが。
文明の特性と合った戦略を取るのも大事なんですね。
それでは今回はこの辺で。
ここまでのお付き合い、ありがとうございました。